ひらた耳鼻咽喉科 アレルギー科
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こんな時どうする?<耳鼻咽喉科シリーズ4>
中耳炎について
 
耳は外側から耳介(いわゆる耳)、外耳道(耳の穴)、鼓膜、中耳、内耳とあります。中耳には音を伝える3個の小さい骨(耳小骨)があり、また耳管という管で鼻の奥とつながっていて中耳の換気をしています。このため鼻の奥の病気(かぜ、副鼻腔炎、アデノイド、腫瘍性の病変)が中耳炎の原因や、長引かせる要因になります。
中耳炎には以下のような種類があります。


急性中耳炎
耳の痛みを伴う中耳の急性炎症で、感染に対して抵抗力が弱い乳幼児に多い疾患です。膿が中耳に充満すると鼓膜が破れて耳漏として出てくることがありますが、順調な経過をたどれば鼓膜の穴(穿孔)はすぐにふさがります。治療は抗生物質を主体とした薬で中耳や鼻の炎症を抑えるようにします。
 
滲出性中耳炎
中耳に液体が滲出し貯まる中耳炎で、耳閉感、聞こえにくい、聞き返しが多い(幼少児)などの症状があります。先に述べた鼻の奥の病気などにより、耳管の働きが悪くなって起こります。また急性中耳炎に引き続いて起こることもあります。治療は、原因となっている鼻の病気を治療しながら、耳管の通りを良くする処置を併用します。滲出液がなかなか消失しない場合、鼓膜切開して液を吸い出します。再発を繰り返す時には鼓膜に小さいチューブを挿入したり、アデノイド切除術を行うこともあります。

慢性化膿性中耳炎
鼓膜が破れた後、耳漏が続いて穿孔がふさがらないと慢性中耳炎になります。症状は反復する耳漏と難聴です。治療は耳漏が出たときに内服、注射、点耳薬などにより炎症を抑えるようにしますが、耳漏を止めて聴力を良くするには鼓室形成術という手術が必要です。

真珠腫性中耳炎
外耳道の皮膚の成分が鼓膜の奥に入り込んで、周囲の骨を壊しながら進む中耳炎です。症状は耳漏、難聴の他に耳の痛みを伴うことがあります。進行すると内耳障害や顔面神経麻痺を起こすこともあります。治療は真珠腫が奥に進まないように、耳の局所処置と炎症を抑える薬物療法を行います。進行が予想される場合は手術が必要となります。


いずれの場合でも耳の所見で診断できるので、気になる方は耳鼻咽喉科を受診してください。
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